浴室の鏡や浴槽、キッチンのシンクや蛇口などに付着するウロコ状の白い汚れは通常の清掃では落としきれません。

 

水垢専用の洗剤を使用して長い時間をかけて擦ってもキレイにならなかった、メラミンスポンジと研磨剤で強く擦ったら、効果はあったものの設備に傷が付いてしまったという人も多いと思います。

 

この記事では水垢を簡単に落とす方法や落とすときに注意することなどを紹介しています。

 

水垢とはどのようなものか

水垢は水の中に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル成分が固まって出来たものです。

風呂や台所、洗面台では毎日水を使いますが、使ったあとに水が乾燥するとミネラル成分だけが残り、時間が経つと水垢になります。

 

水道水の成分は各地域によって違い、地下水を使用している地域はミネラル分が多くなり、落ちにくくなります。

また火山灰が多い土壌でも頑固な水垢が溜まる傾向があります。

 

さらに、温泉のお湯の中にはいくつものミネラル成分が含まれているので、特別頑固な水垢が付着しやすいです。

ミネラルの成分だけでなく鉄分も多く含まれている場合には、白色だけでなく茶褐色のような水垢ができることもあります。

 

水垢の原因は金属で頑固な汚れになるので、家庭用の中性洗剤を使ってもキレイに落とせないことがほとんどです。

 

擦って水垢を落とす方法について

水垢を落とすためには2種類の方法があります。

一つは硬いスポンジを使って研磨して物理的に汚れを落とす方法です。

 

もう一つは、酸性の洗剤を使って水垢を化学的に分解する方法です。

この2種類の方法はどちらも効果がありますが、メリットとデメリットがあるので注意が必要です。

 

水垢は金属由来の硬い汚れで、擦って落とすにしても通常のスポンジでは落としきれません。

それでメラミンスポンジを使ったり、アルミホイルを丸めて擦ったり、ダイヤモンドパッドや水垢専用のスポンジを使う必要があります。

 

しかし長い間溜まった頑固な水垢や、一部の地域の水垢は時間をかけて強く擦ってもすべての汚れを落としきれない場合もあります。

ダイヤモンドパッドや水垢用のスポンジで研磨すると、水垢を落とすことは可能でもデメリットもあります。

 

まず強い力で長い時間擦るので体が疲れて時間もかかります。

また頑固な水垢の場合には力作業だけでは完全に落としきれないこともあります。

 

さらに研磨をやりすぎると、細かい傷が付き目立ってしまう恐れもあります。

特にステンレスのシンクやFRPの浴槽の水垢を落とすときに力を入れて磨いた結果、細かい傷が多く付いてしまったという方も少なくありません。

 

力を入れて擦りすぎ浴室やキッチンの設備に目に見ない細かい傷がつくと、表面に凸凹が出来てその部分に汚れが溜まりやすくなります。

そのため次回の掃除が大変になるデメリットもあります。

 

それで擦って水垢を落とすときには、細かい傷がつかないように注意しましょう。

 

ハウスクリーニング業者に水垢落としを依頼すると、電動の研磨機を使って水垢を落とすことがありますが、研磨用の機械はプロの技術が必要で、素人が使うとすると傷が増えるかもしれないので注意が必要です。

 

洗剤を使って水垢を落とす方法について

水垢はアルカリ性の汚れなので、酸性の洗剤を使えば中和することが出来ます。

自然成分のクエン酸や酢を使って水垢を落とすことも出来ますし、水垢落としの酸性洗剤も販売されています。

 

クエン酸を使うときには、水垢の表面にクエン酸と水を混ぜた液体を染み込ませたキッチンペーパーを被せて、ラップで覆って一晩漬け置きしてから擦ると、簡単に落とせるようになります。

 

軽い汚れであればクエン酸や酢で柔らかくして、スポンジで擦ればすぐに落ちますが、クエン酸や酢は強酸性ではないので、長い間溜まって硬くなった水垢ではクエン酸や酢では落としきれないかもしれません。

 

クエン酸や酢では落としきれない水垢でも、専用の洗剤を使えば落とせることもあります。

水垢落としの洗剤はホームセンターやネットを見ればすぐに手に入ります。

 

いろいろな洗剤があり、研磨成分が含まれている商品や中性洗剤、酸性洗剤など種類が豊富です。

 

ネットを使えば、水垢落とし用の酸性洗剤を購入出来ますが、家庭用の洗剤はさほど強い酸が含まれていないので、頑固な水垢には効果が薄いかもしれません。

 

クエン酸や酢、ホームセンターの酸性洗剤を使っても落とせない頑固な水垢でも、ハウスクリーニング業者が使用する業務用の強力な浄剤を使えば簡単に落とせます。

 

業務用の洗剤は市販の洗剤と比較すると強力な酸を使用しているので、頑固な水垢でも5分くらいで落とせる場合もあります。

 

業務用の洗剤を使うメリットは、強力な酸の成分で汚れを中和するので、市販の洗剤では落としきれなかった水垢が短い時間で落とせるようになるため、作業の効率が上がります。

 

また強い力で擦らなくても良いので体への負担が少なくて済みます。

しかし業務用の洗剤にはデメリットもあり、強い酸性の洗剤なので、酸焼けが起こり素材の色が変わったり、材質が変化する恐れがあります。

 

そのため強い洗剤を使う前には、原液は使わず必ず水で薄めて、まずは目立たない場所で素材に影響がないかをチェックしてから使用するようにしましょう。

 

業務用の水垢落とし洗剤の消費期限があり、永久無限に使えるわけではありません。

保存状態や保管場所によっても洗剤の状態は変化します。

 

きちんと保管していないと、いざ使用するときに本来の効果が発揮されない可能性があるので注意しましょう。

 

洗剤にもよりますが開封していなければ3年くらいは品質が保証されますが、開封済みの洗剤であれば、1年間を消費期限と考えて使い切るようにすると、高い洗浄効果を期待できます。

 

使い方はまず初めに、水垢がある部分を水で濡らし、皮脂汚れや石鹸カスを通常の掃除で先に取り除きます。

次に水垢落としの洗剤を使い傷にならないように優しく擦ります。

 

なお洗剤をスプレーしたあとしばらく置いてから擦ると効果的です。

落ちにくい頑固な汚れには、キッチンペーパーやラップを使うとさらにキレイに落とせます。