住居内の配管は、外壁・内装の壁紙・フローリングなどと違い、目につきにくい部分です。配管が老朽化していることに気付かずに過ごすことも珍しくありません。

 

古くなった配管は、時間の経過と共にサビや金属の腐食が生じやすくなります。放置することで水の品質が下がるだけではなく、配管の詰まりを招く原因になり得ます。

 

そのため、水回りリフォームの配管工事は、家のメンテナンスにおいて非常に重要な作業の一つです。

 

本記事では、水回りリフォームの配管工事が必要となる時期や費用をご紹介します。

 

 

水回りリフォームの配管工事の時期はいつ？

水回りリフォームの配管工事は、建物が建てられてから約20〜30年が経過した時点で検討することがおすすめです。

 

そもそもなぜ、水回りリフォームの配管工事が必要なのでしょうか。

 

住居内のキッチン・トイレ・浴室など、各水回り設備によって、配管を通過する廃棄物の種類が異なります。

 

たとえば、キッチンの配管には、細かい食べカスや使用した油が洗剤と共に流れます。また多くの家庭では、トイレの配管には排泄物、浴室の配管にはシャンプーや石鹸の残りカスが流れているでしょう。

 

水回りの配管は、流れる物質に応じた適切な材料でつくられています。しかし、長期間にわたって使用すると、配管の劣化は避けられません。

 

劣化が進むと配管の性能も低下するため、水回りリフォームの配管工事が必要となるのです。

 

 

水回りリフォームの配管工事を検討するポイント

水回りリフォームの配管工事を行うか判断するためには、住居の築年数に加え、水回り設備の状態も重要なポイントです。

 

以下のような状態が見られた場合は、水回りリフォームの配管工事を考える時期にあたります。

 

 

水道の蛇口やシャワーからサビ色の水が流れ出る

水道の蛇口やシャワーからサビのような赤色や茶色の水が出た場合、排水管にサビや腐食が発生し、配管が劣化している可能性があります。

 

特にキッチンや洗面所の蛇口から出る水は日常的に使用され、健康への影響も考えられるため、早めに配管工事を行いましょう。

 

 

水道の蛇口やシャワーの水が濁って見える場合

排水管が亜鉛メッキ鋼製の場合、水に亜鉛が溶け出すことで濁って見えることがあります。

 

亜鉛は過剰摂取しても排泄物と一緒に体外へ排出されるため、直接的な健康被害を引き起こす可能性は低いです。ただし、まったくリスクがないわけではないため、排水管のリフォームを早期に検討しましょう。

 

水道水を強く出した際に、一時的に白く濁る状態を目にしたことがある方もいるでしょう。

 

水中に空気が混ざることで気泡が形成されると、このような状態が見られます。一時的に白く濁っていても安全性に問題はないので、心配ありません。

 

 

水漏れの問題

配管の劣化・詰まり・パッキンの緩みなどが原因で水漏れが発生した場合、水回りリフォームの配管工事を検討するサインの一つです。

 

水漏れにより、水回りにカビが生じやすくなり、見た目の劣化や衛生的な問題を引き起こします。水漏れが起こる前に、専門の業者による点検を受け、適切なタイミングで配管の修理や交換を行うことが望ましいです。

 

 

排水管の問題

回りリフォームの配管工事の目安は、排水管の問題も関係しています。

 

定期的に清掃や高圧洗浄を行っても、排水管は詰まることがあります。また、水の流れが悪くなる場合、排水管の老朽化が原因である可能性が高いため工事が必要です。

 

排水管が詰まると、使用した水が逆流する恐れがあります。排水管のトラブルを未然に防ぐためにも、排水管のリフォームを検討しましょう。

 

 

水回りリフォームの配管工事の費用相場

水回りリフォームの配管工事において気になる費用は、どのくらいなのでしょうか。

 

リフォーム費用は、取り替える配管の範囲・位置・具体的な状態によって変わるだけではなく、選ぶ業者によっても価格が異なります。

 

そのため、配管工事を依頼する前に大まかな費用を把握しておくことは、業者選びの一つの目安となります。

 

配管工事の費用相場について、それぞれ見ていきましょう。

 

 

給水管の交換

給水管は、住居へ水を運ぶ管です。

 

・給水管の部分的交換：約1万円

・給水管の全体交換：約10〜20万円

 

 

排水管の交換

排水管は、住居の使用済み水を下水へと運ぶ管です。給水管の作業に比べてコストが高くなります。

 

・排水管の一部交換：約1万5千円

・排水管の全体交換：約20〜30万円

 

 

給水管と排水管を同時に交換する場合

使用年数が長く配管の老朽化が進んでいる場合、給水管と排水管の同時交換が必要になります。片方のみの交換に比べ費用は高額となります。
・給水管と排水管の同時交換：約25〜50万円

 

 

配管の移設が必要な場合

住居のリフォームで間取りの変更や新しい水回り設備を追加する際は、配管の移設や新規設置が必要になる場合があります。

 

・配管移設の工事費：約10〜100万円

 

配管の現状や工事の規模によって費用は異なるため、事前に具体的な見積もりを知ることが大切です。

 

 

水回りリフォームの配管工事における費用を抑えるポイント

水回りリフォームの配管工事は重要だとわかっていても、可能な限り費用を抑えたい方は多いでしょう。

 

ここからは、水回りリフォームの配管工事において費用を抑える重要なポイントについて紹介します。

 

 

複数の業者から見積もりを取る

水回りリフォームの配管工事を検討する際は、いくつかの業者に相談し、見積もりを比較することが重要です。

 

工事の範囲が変われば費用も大きく異なったり、業者によって価格設定に違いが出たりする場合もあります。

 

ただし、費用だけを基準に業者を選ぶことは避けましょう。安価な見積もりを提示する業者は、工事内容の説明がわかりにくい・説明にない工事を行われてしまうなどのトラブルにつながる恐れがあります。

 

業者と相談する際は、対応の良さや説明がどれだけわかりやすいかも、重要な選定基準となります。

 

 

水回りリフォームと配管工事を一緒に進める

もしトイレ・浴室・キッチンなど水回り設備のリフォームを考えている場合、配管工事と併せて行うことを検討してみてはいかがでしょうか。

 

配管工事や水回りリフォームは、壁や床を解体してから行われます。配管工事と水回りリフォーム作業を別々に行うと、何度も壁や床を解体しなければなりません。

 

しかし、2つの工事を同時期に行うことで作業の重複を避け、工事期間の短縮につながります。

 

そのほか、工事にかかる人件費や時間も節約できるため、全体の工事費用を抑えることが可能です。

 

 

マンションでの配管工事における注意点

マンション内の水回りリフォームにおける配管工事をする際には、以下の2つの注意点をチェックしておきましょう。

 

 

事前に配管工事の実施可能性を確認

マンションには、住人が所有する専有部分と、住人全員が使用する共用部分があります。

 

専有部分において、配管工事は許可されている場合が多くあります。ただし、マンションの構造や管理規約によっては工事が制限されている場合も。

 

そのため、工事を進める前には、マンションの管理規約や契約書類を確認することが必要です。

 

 

マンションの床構造の確認

マンションの床構造には、直床構造と二重構造の2種類があります。床構造によって、リフォームの費用は変わることがあるため確認しましょう。

 

直床構造の場合、床と天井の間に空間がなく工事をするには床を剥がす必要があるため、追加費用が発生します。

 

一方、二重床構造の場合は床下に作業スペースがあり、工事が容易に行えるため費用を抑えられる可能性があります。

 

 

まとめ

水回りリフォームにおける配管工事の時期や費用を解説しました。

 

水回り設備の配管の老朽化は、目に見えにくいです。しかし、水の色の変化や流れの悪さなど日常と異なる状態が見られた場合、配管工事を行う目安となります。

 

水回り設備で違和感を覚えたら、専門の業者に相談し、見積もりを依頼してください。

配管が老朽化してしまうと、水回りのトラブルが発生するだけではなく、健康への悪影響も考えられます。そのため、早めに水回りの配管工事の検討を行いましょう。