何十年も同じ家に住み続けていると、家族の生活スタイルなどの変化により、トイレや浴室などの住宅設備が使いづらく感じることがあるでしょう。また、風呂釜にひびが入るなど、設備の老朽化も目立ち始めることでしょう。

 

水回りのリフォームを考える際は、トイレ単体ではなくトイレ・浴室・キッチンなど複数箇所を同じタイミングで行うとコストパフォーマンスが良いとよくいわれます。

 

この記事では、水回りのリフォームを一括で行う際のメリットや注意すべき点について詳しく紹介します。

 

水回りリフォームの例

 

水回りとは、家庭内で水を利用する場所のことを指し、キッチン、浴室、洗面所、トイレなどが該当します。これらの場所は衛生面上、常に清潔に保たれるべきです。しかし、日常で頻繁に使用されるため、ほかの場所よりも劣化が進むのが早い傾向にあります。

 

以下では、水回り新調の例をキッチン・浴室・洗面所・トイレ別に分けて紹介します。

 

キッチンのリフォーム

キッチンは料理のためのスペースであり、清潔さが重要です。キッチンリフォームは設備の老朽化や故障だけでなく、より機能的で快適な調理環境を求める場合にも必要になります。

 

家族構成の変化や生活スタイルの変化によって、キッチンの不便さを感じる機会が増え、改装工事が必要になるケースも少なくありません。

 

またキッチンリフォームでは、コンロ、シンク、作業スペースを組み合わせたシステムキッチンの導入が一般的ですが、必要に応じて個別部品の更新も可能です。リフォーム専門会社と相談しながら、キッチンの配置やモデルを決めましょう。

 

浴室のリフォーム

浴室は特に汚れが蓄積しやすく、また水漏れが起こりやすい場所です。日々の疲れを癒やす重要な場所であるため、機能性や快適性を向上させるためにリフォームを検討する方も少なくありません。

 

浴室リフォームのオプションには、現場で組み立てるだけで簡単に設置できるユニットバスや、従来型の現地で施工するモデルがあります。ユニットバスは事前に製造された部品を組み立てるため、施工期間が短く、水漏れのリスクが少ないメリットがありますが、既存の浴室サイズに合わない可能性もあります。一方、従来型の方法ではデザインの自由度が高く、好みに合わせたタイルや木製の浴槽を選ぶことができますが、費用が高くなる傾向にあるため注意しましょう。

 

適切な方法を選ぶためには、ユニットバスと従来型の工法のメリットとデメリットを理解しておくことが重要です。

 

洗面所リフォーム

洗面所のリフォームでは、洗面台のみの工事が一般的ですが、同時に床材や壁紙、収納スペースの改装を行うケースもあります。さまざまなデザインや機能を備えた洗面台が提供されているため、選ぶ際にはサイズやデザイン、機能性を慎重に検討すると良いでしょう。

トイレリフォーム

トイレの多くが陶器製であることから、割れやプラスチック部品の損傷が発生することがあります。また、節水機能を持つ最新のトイレへ新調する方も増えており、既存のトイレに不具合がない場合でも交換を検討する人が見られるようになりました。

 

トイレを新しくする際には、タンク一体型・分離型・タンクレス型のほか、手洗い設備の有無や材質など、多くのオプションから選べます。

 

水まわり一括リフォームのメリットとデメリット

水回りの設備を同時に新しくすると個別施工と比べてコスト削減が可能なメリットがある一方で、注意すべき点も多くあります。以下で解説するメリットとデメリットを把握したうえで、計画を立てましょう。

 

メリット

水回りをすべて同時に新調することで、工事費用の節約が可能です。複数の箇所を同時に改修することで、材料の配送や配管・電気工事を一度に行うことができるためです。

 

また、各場所の買い替えに必要な設備をまとめて購入することにより、価格交渉が有利になることがあります。一つのブランドの製品に絞ることで、内装全体に一体感を持たせられるのもメリットです。個別に新調する場合、内装の統一感を出すのは難しいですが、一括リフォームではデザインの一貫性を保ちやすくなります。

 

デメリット

一括でリフォームを行うと、選べる設備のバリエーションが限定され、カスタマイズの自由度が制限されることがデメリットとして挙げられます。個々の設備ごとにデザインや機能を求める場合は、一括リフォームはおすすめできません。さらに、設備の一新だけではなく床や壁の補修が必要な場合は、総コストが増加するリスクもあります。

 

買い替えに関する総費用を把握するためにも、内装や補修にかかる費用、さらにオプションの費用も含めて見積もりを詳細にチェックし、慎重に比較することが大切です。

 

水回りリフォームの費用を抑える方法

水回りを新調する費用を削減するには、いくつかコツがあります！コスト削減を目指す場合には、なかでも設備のグレードが重要なポイントです。

 

例えば特定のブランドや高いグレードに固執しない場合は、設備のグレードを一つ下げると良いでしょう。さらに、新製品の発売時期に合わせて購入すると、旧モデルの製品を割安で手に入れることができます。グレードを下げたり、旧モデルを選ぶことで、かなりのコストを節約できますよ。

 

高機能や高デザインの製品ではなく、少しグレードを落とすことによって、予算をより有効に活用することが可能です。

 

まとめて複数の水回りをリフォームする際の注意点

一度に複数の水回りを新しくする場合は、注意すべき点がいくつか存在します。

 

リフォーム業者にはそれぞれ得意とする分野があり、なかには水回りリフォームを専門に行う業者もいれば、その他の内装や部屋の改装に特化している業者もいます。そのため計画時には、対象となる水回りの工事を得意とする業者を選定することが重要です。

 

加えて、新調する際には予定外の追加費用が発生することもあります。キッチンや浴室、トイレなど複数の水回りを同時に工事すると、一時的に使用が制限される場合があります。キッチンが使えない間は外食やデリバリーで対応することが可能ですが、浴室やトイレが利用できないと生活に大きな影響が出ることも。

 

工事中に水回りが利用できない場合、利用できる場所を探さなければならないこともあります。そのため水回り工事の施工を依頼する際には、ホテルやウィークリーマンションの利用など、仮住まいにかかる費用も含めて総合的なコストを事前に概算しておくことが重要です。

 

まとめ

水回りリフォームでは設備費が大部分を占めるため、設備のグレード選びが費用に大きく影響します。また、水回り工事の範囲によって得意な業者が異なるため、複数の業者を使い分けることも費用削減のコツです。そのため複数の見積り比較を行い、納得のいく業者を選びましょう。